【クロアチア】世界遺産プリトヴィツェ湖の行き方と見どころを解説!

ヨーロッパ観光

クロアチアの世界遺産プリトヴィツェ湖群国立公園の行き方と見どころを解説します。

クロアチア、プリトヴィツェ湖群国立公園について

クロアチア共和国(Republic of Croatia)について

クロアチア共和国(Republic of Croatia)は人口約400万人の東欧の国で、首都はザグレブです。
以前は社会主義共和国としてユーゴスラビアの構成国でしたが、1991年に独立しました。

面積は約5.7万km2で、九州の約1.5倍ほどです。
西側がアドリア海に面していて、北側はスロベニアやハンガリー、東側はセルビアやボスニアヘルツェゴビナ等と接しています。

公用語はクロアチア語で、主な宗教はカトリックです。
通貨はクーナ(HRK)で、1クーナ≒17.3円、1€≒7.5クーナです。(2022年2月20日現在)

他の概要としては下記があります。

  • 日本との時差:8時間
  • 日本からの移動:直行便はなく、乗り継ぎが必要。スターアライアンス系(ANA等)でフランクフルト経由だと羽田から首都ザグレブまで約16時間で行けます。
  • 日本との距離:約9300km
  • 日本人のビザ:観光などの短期滞在であればビザ不要。

日本とクロアチアの間には査証相互免除取り決めがあり、観光などの目的で3か月以内の滞在期間(短期滞在で出入国を繰り返す場合は、半年間で合計3か月を超えない期間)であれば、入国査証の取得は必要ありません

外務省HPより: https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcsafetymeasure_188.html

プリトヴィツェ湖群国立公園(Plitvice Lakes National Park)について

プリトヴィツェ湖群国立公園(Plitvice Lakes National Park)は首都ザグレブの南約100kmに位置するクロアチアで最古、最大の国立公園です。
この地域の水に含まれる炭酸カルシウムが長い年月をかけて石灰棚を形成したことで、湖が階段状に連なる独特の景観が生まれ、1979年には自然遺産として世界遺産登録されました。
独立後90年代に勃発したクロアチア紛争のせいで一時は危機遺産リスト入りしましたが、政府の措置により1997年にリストから脱しました。

公園内には大小16の湖、92の滝があり、一番大きな湖「コジャク湖」より上流側の「上湖群」と下流側の「下湖群」の2つに大別されます。
また、公園内には様々なハイキングコースがあり、1日がかりのものから2、3時間のものまで全11種あります。僕は「プログラムC」というコースを歩きました。
遊歩道も整備されていて歩きやすくなっていますが、滑りやすい箇所やぬかるみがあるので歩きやすい靴がオススメです。
冬はコースが封鎖されていたり、公園の入場制限もあるので事前にご確認ください。

ハイキングコースの1例です。↓ 
時間や体力、見たいものに合わせて自分で選べるようになっています。

  • 名称: プリトヴィツェ湖群国立公園(Plitvice Lakes National Park)
  • 営業時間: 夏季8:00~18:00(季節により異なります)
  • 入場料:

プリトヴィツェ湖群国立公園の行き方!

プリトヴィツェ湖群国立公園へはザグレブからバスで約2時間半で行くことができます。

バスのチケットはGetByBusやFlixBusで予約できます。僕はGetByBusで予約しました。

なお、プリトヴィツェ湖群国立公園では一般車両の乗り入れは制限されています。

プリトヴィツェ湖群国立公園の見どころとプログラムCのコースを解説!

いくつかあるコースの中で僕が実際に歩いたプログラムCのコースの見どころを解説します。

入口1の展望台

ハイキングコーススタート地点となる入口1から入ってすぐの所には展望台があり、大きなヴェリキ滝とサスタフチと呼ばれる石灰棚の眺めを楽しむことができます。

長いハイキングですが、歩き始めてすぐに美しい湖や滝が見えてテンションが上がりました。

ノヴァコヴィッツァ・ブロド湖

ノヴァコヴィッツァ・ブロド湖はプリトヴィツェ湖群の中で最下流かつ最小の湖です。
展望台からを坂を下っていきヴェリキ滝(大滝)の方に向かっていくとあります。

湖の名前は、ノヴァコヴィッチという人物がこの通路を管理していた、もしくはここを通って迫害者から逃げて行ったことに由来するそうです。

プログラムCのハイキングコースではここからどんどん上流を目指して歩いていくルートとなります。

クロアチア最大の滝、ヴェリキ滝(Veliki slap)

ヴェリキ滝(Veliki slap)は、クロアチアで最も高い滝で、落差は約78メートルです。
ここから4km離れたロディッチ・ポルヤナの集落にあるプリトヴィツァ川が水源です。
滝の水量は時期や天候によって変化し、雪解けや雨の後は滝の水量が多くなり、乾季には水量が少なくなります。

滝はかなり近くで見ることができ、滝つぼ付近には虹が架かってました。

流れていく水はコラナ川の源流となり、134km先でカルロヴァツ市近くのクパ川との合流し、黒海に繋がります。

カルジェロヴァツ湖(Lake Kaluđerovac)

ヴェリキ滝から引き返して来るとカルジェロヴァツ湖(Lake Kaluđerovac)に着きます。
この湖の西側を歩いていくところから本格的にハイキングが始まります。

湖の南には分岐があり、シュプルヤラという洞窟の入り口があります。洞窟の中を石の階段で通り抜けると、下湖の渓谷の上に続く道に出ることができます。
洞窟入り口近くにはモドラ・シュピルヤ(青の洞窟)の開口部も見ることができます。↓
昔はボートで入ることができたらしいです。
また、伝説によると、かつてこの近くの洞窟に仙人が住んでいて、地元の人々を迎え入れ、助言を与えていたそうです。

ガヴァノヴァツ湖(Lake Gavanovac)

ガヴァノヴァツ湖(Lake Gavanovac)は周囲を高い険しい崖に囲まれた湖です。
ガヴァノヴァツ湖の水は、ヴェリケ・カスケード(大カスケード)と呼ばれる一連の石灰棚を越えてカルジェロヴァツ湖に流入しています。湖の名前は、湖底に宝物を隠したという伝説のあるガヴァンという人物にちなんで付けられたそうです。

崖の下の木の歩道を歩いていきます。↓
柵もないので開放的です。

ミルカ・トルニナ滝(Milka Trnina Cascades)

ミルカ・トルニナ滝(Milka Trnina Cascades)は、下湖群で最も美しい滝と言われています。
この滝は、クロアチアの有名なオペラ歌手の名前にちなんで名づけられました。
ミルカ・トルニナは世界各地で行われたコンサートの収益の一部をプリトヴィッツェ湖群に寄付し、観光客のための遊歩道の整備や自然保護に役立てていました。

ミラノヴァツ湖

ミラノヴァツ湖は、下湖群で最初で最大の湖です。東西の湖岸には、高さ20mを超える岩がそびえています。
今回のプログラムCのコースではミラノヴァツ湖畔を歩きましたが、渓谷の上へと続く長いハイキングコースもあります。

ミラノバッチキ滝

ミラノヴァツ湖の南側には高さ10mのカスケード「ミラノバッチキ滝」があり、上湖群の最後の湖であるコジャク湖の出口に位置しています。
運が良いとアオサギ(Ardea cinerea)という長い脚に灰色の体の大きな鳥に出くわすことがあるらしいです。

コジャク湖(Lake Kozjak)

コジャク湖(Lake Kozjak)はプリトヴィッツェで最大かつ最も深い湖で、かつてヤギの群れが湖を渡ろうとして溺れたという伝説にちなんで名づけられました。

約400年前まではコジャク湖は高さ約40mの石灰棚で2つの湖に分かれていましたが、下流にある石灰棚の方が成長が早く、湖の水位が徐々に上がっていき、繋がって1つの湖となりました。

この湖は電動ボートで渡ることができます。↓

ブルゲティ湖

電動ボートから降りたところのブルゲティ湖から上湖群のハイキングがスタートします。

下湖群より湖水の緑色が濃く、綺麗なエメラルドグリーンになっています。これは上湖群の方がプランクトン濃度が高いためだそうです。↓

水の色は濃いですが綺麗に透き通っていて、湖底の倒木もクリアに見えます。

グラディンスコ湖

ブルゲティ湖の方から木の階段を上がってくるとグラディンスコ湖という湖にでます。
かつてこの湖とコジャク湖の間の高台にあった要塞「グラディナ」にちなんで名づけられたそうです。
湖畔は木や雑草が生えている区間が長くて湖全景は見えづらいのですが、進んでいくとプリトヴィッツェ湖群ハイライトの一つのプルシタヴツィの滝が見えてきます。

プルシタヴツィの滝

プルシタヴツィの滝は、プリトヴィッツェ湖群国立公園のハイライトの一つです。
ストライプ状に横に連なった滝が光を受けながら落ちていき、まるで大きな水のカーテンのようでした。
バランスの取れた滝の配置は人工的に作ったんじゃないかと思える程見事です。自然の力恐るべし。
プルシタヴツィはクロアチア語の噴霧を意味するそうで、その名の通りこの近くは霧状に水が舞っているいてマイナスイオンたっぷり浴びることができます。

こちらはマリ・プルシタヴツィという滝です。↓
プルシタヴツィの滝から少し進んだところにあります。マリ・プルシタヴツィは小さなプルシタヴツィという意味らしいです。

ガロヴァツ滝(Galovački buk)

ガロヴァツ滝(Galovački buk)…の近くの滝で、名称なし(?)の滝です。
この記事書くまではここがガロヴァツ滝だと思っていたのですが、違ってました。
ガイドブックによく出てくる滝なのに名前がはっきりしないのは変な感じですが、でもここが一番見たかった場所で今も一番印象に残っています。
ガイドブックや本で見るより綺麗で、今までずっと歩いてきた疲れも吹き飛びました。

Googleで「Galovački buk」と画像検索するとほとんど上の場所の写真が出てくるのですが、本物は下の滝です。↓

写真を見返してみると確かに↑の滝がGalovački bukのようです。

ガロヴァツ湖

ガロヴァツ滝(の近くの滝)の余韻に浸りながら歩いていくと、その上流のガロヴァツ湖に出ます。
ガロヴァツ湖は、かつてこの湖の近くでオスマン帝国軍を破ったガロ隊長にちなんで付けられたようです。

この湖畔の歩道はあまり整備されていないので少し歩きづらいので、特に雨の日は注意した方がいいです。

バチノヴァツ湖

プログラムCのハイキングコース上湖群最後の湖です。
倒木の近くにニジマスや野生のカモを見ることができました。

パノラマ観光列車

上湖群からの戻りはパノラマ観光列車(バス)を利用しました。↑(中央の黒いのはカメラの紐です)
これで下湖群のミラノヴァツ湖近くまで戻り、そこから歩いて入口1まで戻ることができます。

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